ロンドンのシューゲイズポップ・バンド、NIGHT FLOWERSのニューアルバム "FORTUNE TELLER" を10月25日(金)にリリースすることが決定しました。詳細は追って公開いたします。なお、今回のニューアルバムのリリースに際して、NIGHT FLOWERSと関わりのあるアーティスト達から素晴らしいコメントが届きましたので、是非ご覧になってください!
イギリスの小さなライブハウスで観たライブ、あの夜の煌めきがこのレコードには詰まっている。ビールの泡やカラフルなネオン、歩道に張り付くような寒さ。夜の酒屋。ハルの街の曇り空。そこにはこんな音楽が必要で、そしてそんな全部がNight Flowersの音楽には必要なのだと思う。
Homecomings
前作のWild Notionを聴いたり、昨年の来日ツアーにおけるバンドのパフォーマンスを観ても思ったことだが、Night Flowersほど純度の高いバンドはそうそういないのではないだろうか。純度が高いというのは、他人の評価など一切関係なく例え難解な形になったとしても、自分の作りたいものだけを作るという尖りまくった話ではなく、まるで光合成をしているかのように日々の生活の中から自然と生まれてきたような音楽だということだ(もちろん部外者にはわからない産みの苦しみはあったかもしれないが)。
所謂ドリームポップやシューゲイズといったジャンルは、最近また洋邦問わず増えてきて、音の雰囲気としてもあまりお国柄を感じさせないジャンルな気がするが、Night Flowersの音にはその土着的な雰囲気のようなものが、特に今作では色濃く出ているように感じた。1曲目のNight Trainを聴いて、来日ツアーで演奏していたことを思い出すと同時に、10年近く前に吸ったイギリスの空気のことも思い出した。自分が音楽を作る際に目標にしていることの1つに、音で匂いを喚起させたいというものがあるのだが、それを彼、彼女らは今作で易々とやってのけてしまっていた。楽曲について言及すると、Merry-Go-Roundのようなキラキラで胸キュンなドリームポップもあれば、Carry OnのようにどこかTeenage Fanclubを感じさせるようなギターが往年のロックファンをニンマリさせるような曲まで、幅広くも普遍的な魅力を携えて揃っている。一時飽和気味だったドリームポップやシューゲイズに食傷気味の人にこそ聴いてほしい、そんなアルバム。
橋本薫 (Helsinki Lambda Club)
エヴァーグリーンなアルペジオ、刹那的なコード、男女混声の甘いメロディー、近年稀に見る王道のUKギターポップ/シューゲイズで僕たちの胸を掴んで離さないNight Flowersから届いた新たな便り。これまでにはなかった80年代風味のシンセサイザーやブリッジミュートの音に思わずThe Cureが『Disintegration』で、Echo & The Bunnymenが『Ocean Rain』で描いた幽玄な"夢"の続きを期待する。10年代最後の秋に吹く、ちょっぴり肌寒いネオ・サイケデリアの風。
Natsuki Kato (Luby Sparks)
去年参加した来日公演のあとに、私たちはNight Flowersとお昼ご飯を食べた。
その時、私たちは変なあだ名を付けあって呼んでいた。手遊びでかえるを作ったら喜んでくれて、手で顔を作ってくれた。そんな小さなたのしいことをして笑った。新しいアルバムをきいて、心は何かをくぐりぬけると広がり、私たちの小さなあたたかい記憶や、言葉にできなかったいつかのかなしみを思い出す。
音楽は、思い出が自分の中で新しい色になっていくことだと、気づいた。
真舘晴子(The Wisely Brothers)
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